フォト

twitter

無料ブログはココログ

« 第1回稲取キンメハーフマラソン | トップページ | 第2回登山部活動報告 »

2016年6月15日 (水)

僕の仕事のこと

このブログのタイトル通りですが、僕は調律師という仕事をしています。

ときどき「調律師ってピアノのですか?」と聞かれます。
そうですピアノを治す仕事です。

ご存知の方も多いと思いますが、ピアノには弦が約230本張ってあり、1本あたり70~90kgほどの張力がかかっていることや気温、湿度の変化により音が狂うんですね。

そのため音律を正常にする作業が必要となり、この作業のことを調律と呼び、これが調律師の仕事の中心となっています。
そしてピアノってけっこう機械的な部分もありますので、うまく動かなくなったときには修理が必要になります。
これも調律師の仕事です。

ほかにもありますが、調律と修理が基本的には仕事の中心になっています。

先日この調律師のことを書いた本が「本屋大賞」に選ばれたと話題になっていました。

13459596_1092759834130216_662720558

図書館にあったら借りてみよう~って思っていたのですが、まず息子が「読んだよ~」と連絡があり、僕の仕事についてあらためて興味を持ったとのこと。

僕の趣味というか生活の中心でもあるランニングでのお友達も読まれたそうで、Facebookに書き込まれたみなさんの文章を読んでいたら、これは買ってでも早速読まなくては、ちうことで本屋さんへ行きました(。・w・。 )

先週末は大会のため伊豆まで新幹線移動、往復の車内で一気に読みましたよ。

ピアノとも音楽とも縁の無かった男子高校生がたまたま学校に来る調律師をピアノのある体育館まで案内したことで調律作業に出会い、その後調律師になるというストーリーです。

調律師の養成期間のことにはほぼ触れられておらず、調律師になってから数年間の成長が描かれています。

この本を読みながら自分のことも思い起こしました。

僕もこの青年と同じように、ピアノ会社に併設された養成機関で調律を学びました。
この青年は2年の養成期間とありますので、たぶんヤマハかカワイだと思います。

僕が学んでいた当時、浜松には15社以上ピアノ製造会社がありました。
今ではその大半が無くなっていると思います。
ピアノ産業って斜陽化しているんです(u_u。)

僕が学んでいた会社、規模としてはヤマハ、カワイに次いで国内第3位なんですが、上位2社とはかなり距離があります。

10000mの競技だったら23周は遅れているかもしれません(;´д`)

けどその規模の会社だったからこそいろんな経験ができました。

最初は掃除から。ノミやカンナの刃の研ぎ方も教わりました。
ピアノの塗装もしました。

職人さんの世界だけに、言葉で注意する前にゲンコツが落ちることもしばしばありましたよ。

高校出たてのなにもわからないあの頃、言い返すことも殴り返すこともできず、ただハイハイと言うだけでしたが、あの頃ならではの経験、今となっては貴重です(o^-^o)

この物語の中で高校生だった彼は調律師になり、体育館へ案内した調律師が所属する楽器店に就職します。

先輩調律師たちや顧客からいろいろ学び調律師として成長していきます。
この彼は調律師の仕事にしか興味がないのか、それ以外の活動なんてものは全く登場しません。
恋愛の話なんてものも出てきませんね┐(´-`)┌

僕が就職したのは、調律を勉強するためのピアノ会社を紹介してくれた楽器店でした。

高校1年生頃の話です。
もともと楽器が好きだった僕は、もちろん夢はミュージシャン(゚ー゚)

けどそんなもんで食えるわきゃあないという考えもあり、管楽器を製造する道へ進みたいと思っていました。

そんなある日、近所のピアノの先生と立ち話していた母親が、調律師という仕事があるそうだと聞いてきました。

このあたりは偶然が重なるのですが、ラジオを聞いていたら有名な調律師が出ていて、調律師の仕事について話をしていてたいへん興味を持ちました。

また別の番組ではバンドコンテストの様子が放送されていて、そこに調律師のバンドが出ていたのもこの仕事に導いたように思います。

それからすぐに、調律師になりたいがどうしたらよいんだろうと馴染みの楽器屋さんへ行ったのが自分のストーリーの始まりです。

高校1年生で仕事が決まったっていうのはちょっと早まったかなo(*^▽^*)o

就職した楽器店で調律師は僕一人。

この物語のようなお師匠さんは店内にはいませんでした。

僕の住む所に新しくホールが建てられることになりました。
建ったのは今から30年以上前です。
自分は22歳くらいだったと思います。

自分が所属する楽器店がここにスタインウェイという当時1台1200万円のピアノを2台も納入したため、政治力で僕がこのピアノのお守りをすることになりました。

もしも今こんなホールのピアノをお守りする依頼が来たら、100%断ります。
怖いですよ。ぜったいにビビりますね。
当時は怖いもの知らずだったんだなあ(´Д`;;;)

このホールが建つ前は市民ホールなる建物があり、もちろんこちらにはずっとピアノのお守りをしている調律師がいらっしゃるわけで、そういう方が黙っているはずはなく、結局最終的には僕一人でお守りするっていうことは無くなりました(;´▽`A``

このピアノの日本総代理店がM社というのですが、ここへ2回か3回に分け数ヶ月だったか研修に行きました。

このM社のT田さんという方が僕の最初のお師匠さんです。

まったくお付き合いがなくなりましたが今もご活躍なのかなあ。

ベーゼンドルファというオーストリーの有名なピアノがあります。

このピアノは96鍵(通常は88鍵)あって、地元のオーケストラがこのピアノをレンタルして演奏会をするという話が入ってきました。

これもやはり22歳頃だったと思います。

ベーゼンドルファの日本総代理店から調律に来るというので、その場で頼み込んで作業を見せてもらいました。
N山さんという方です。

この会社とはずいぶん長くお付き合いさせていただきました。

この数年後、どうしてもベーゼンドルファに留学したくなって頼みにも行きました。
英語かドイツ語を話せるようになったら来なさいということで、その後英語学校に通いアメリカにも短期留学に行き、中学校時代英語が5段階中2だった僕が英検2級を取得してまたお願いに行ったのですが、その当時ヨーロッパは大不況でタダでも人は要らないといわれ留学の夢が消えました。

もう一人のお師匠さんは大阪の白Gさんです。

この方の作業に立ち合わせていただいたのは、自分が関係していた楽器店が販売したピアノが縁でした。

かなり酷いピアノで、そのオーナーさんがどれだけ酷いか立会いなさいということで作業を見ることになったのです。

今では作業なんてYoutubeで見ることができますが、当時は人の技術は見て盗むって時代で、ほとんどの方はなかなか見せてくれなかったんですね。

ところがこの白Gさん、「全部見せてやるから、盗めるもんなら盗んでみろ」って言うんですよ。

カッコいいですねw(゚o゚)w
この方だけ唯一今でも年賀状のやり取りをしています。

この本を買いに行った一番のきっかけを与えてくれたのが、仮装ランナー界の神C田さんです。
おもしろいですね~。ぜんぜん違う方面からこういった話がやってくるなんて、まったく今風でSNSの威力を感じます。

C田さんからは以前から見たかった「もうひとつのショパンコンクール」の再放送の情報もいただきました。

こちらもしっかり録画して楽しませていただきました。

日本でのピアノ産業は斜陽化しているのですが、世界でトップの日本のピアノ産業。
もし今後調律師を目指す方があるなら、ぜひ世界を目指してほしいです。

この本の中で「調律師にとって一番大事なのはなんですか?」と聞く場面があります。
なんと答えたかは書きませんが、自分だったら「ピアノの魅力を伝えること」です。

って話を来週、息子が勤務する中学校でお話してきます(´▽`)/

« 第1回稲取キンメハーフマラソン | トップページ | 第2回登山部活動報告 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

この本は、結楽器と縁のない私でも面白かったので、ぜひLeoさんの話を聞きたかったんですよ。
もうひとつのショパンコンクールの放送も凄すぎです。
調律師・・・・職人の世界ですよね。
私も、高校生の時に、一時絵の世界に憧れていた時期がありましたが、結局は長男だったので地元に就職してしまったんですよ。
その時の絵の趣味が高じて、仮装を作ってランしています。
自分の思いを貫いたLeoさん、すごい。

鉄人28号さんへ

再放送のお知らせ、ありがとうございました。
昨年末に調律に伺ったお宅でちらっと見せていただいて以来、ずっと見たかったのです。
かつてはあの世界にあこがれました。
日本人調律師は世界のトップに君臨しているのです。
ファツィオリは良い結果が出ませんでしたが、非常に注目を集めているピアノです。
今回ベーゼンドルファが出ていなかったのが残念でした。
また、カワイが健闘していて意外でした。
現在日本では斜陽産業になってしまいましたが、これからの若い調律師には世界を目指して頑張ってほしいですshine

小学生から中学生までチェロをやっていました。
高校入学時に訳あって止めましたが、後にこの時鍛えられた耳を活かせないものかと、調律師を目指そうと思ったことがありましたが、持病が原因で入学出来ず諦めました。
ですのでレオさんのお話は興味深く読ませて頂きました。奥の深いお仕事ですね。それだけにやり甲斐も有りそうです。
また機会が有ればお話を聞かせて下さい。

kizukiさんへ

弦をやってた方は非常に耳がいいです。
ピアノの方は音あわせが調律師任せなので、どちらかというとあまり音程を気にしない方が多いように感じます。
昨年末にBSNHKでやっていた「もうひとつのショパンコンテスト」はたいへんおもしろかったです。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1025283/66030931

この記事へのトラックバック一覧です: 僕の仕事のこと:

« 第1回稲取キンメハーフマラソン | トップページ | 第2回登山部活動報告 »